司法書士・専門家の先生へ:意思能力不安がある案件の「初動の整え方」(連携のご案内)
遺言作成・家族信託等の場面で、意思能力(意思決定能力)に関する不安が付随する案件は一定数あります。
先生方にとって重要なのは医学的な診断名そのものよりも、後から 「作成時に本人の意思が成立していたか」「誘導・圧があったのではないか」 といった形で争点化しうる部分を、初動から丁寧に整えることだと思います。
本稿は、先生方の実務判断を前提に、当室が担える役割・紹介時に共有いただくと助かる情報を「連携資料」として簡潔にまとめたものです。
※本稿は一般的な情報提供です。医療上の診断・治療、法律上の個別助言や手続き代行を行うものではありません。個別事案の法的評価は先生のご判断領域です。
1. よく問題になるのは「結論」ではなく「プロセス」
意思能力不安が絡む案件で、後から揉めやすいポイントは、条項の内容そのものより 実施条件と記録の脆弱さ に集まりやすい印象です。
- 本人が疲れている時間帯・長時間の面談
- 眠気、痛み、不眠、服薬影響などで集中が続かない
- 難聴・視力低下等で確認が噛み合わない(伝達条件)
- 同席者が多い/力関係が強い/本人が言いにくい構図
- 会話は成立しているが「任せる」が多く、本人の理由づけが拾えない
- 記録が“結論”中心で、条件(体調・同席・資料)が残っていない
2. 当室の立ち位置(役割分担)
当室が行うのは、診断や能力判定そのものではなく、紛争予防の観点からの **「条件整理」と「面談整理(情報整理)」**です。
できること
- 不安の源泉の整理(体調変動/疲労/睡眠・服薬/伝達条件/同席圧 等)
- 本人の意思が表れやすい面談条件の設計(時間帯、面談の区切り、同席設計、共有ルール 等)
- 後から争点になりやすい点の“見える化”と、先生が次工程を進めやすい形での情報整理(面談整理の納品)
しないこと
- 医療行為(診断・治療、診断書作成の趣旨での対応)
- 法律上の個別助言、手続き代行、条項設計への立ち入り
- 特定の結論への誘導(誰に何を残すべき等)
3. こういう案件は「初動に設計」を入れた方が手戻りが減りやすい
差し支えない範囲で、次に当てはまるほど、初動で条件整理を入れる価値が高いことがあります。
- 日によって受け答えが大きく揺れる(時間帯・疲労の影響が強い)
- 眠気・痛み・不眠等で集中が続きにくい
- 難聴・視力低下など伝達条件がボトルネック
- 家族関係が複雑で、同席圧/誘導疑義が出やすい
- 「任せる」「どうでもいい」が増えている
- 期日制約があり、面談条件が整わないまま進みそう
4. ご紹介時に共有いただけると助かる情報(最小限)
初動を速くするため、可能な範囲で以下をご共有いただけると助かります(箇条書きで十分です)。
- 手続き類型(遺言/信託/贈与 等)と緊急度
- 家族構成・利害対立の有無(同席者候補/避けたい同席構造)
- 本人の“揺れ方”(時間帯、疲労、眠気、服薬、聞こえ・見え 等)
- これまでの面談で引っかかった点(「任せる」が多い 等)
- 希望形態(対面/オンライン、地域)
まずは「連携のご挨拶(20分・無料)」から(先生向け)
このケース、いま何を優先して整えるべきか——初動の見立てだけでも、その後の進め方が大きく変わります。
先生向けにオンライン20分(無料)でご相談の入口をご用意しています。
司法書士・専門家の方:お問い合わせ(司法書士・専門家の方)
ご相談(対面/オンライン)
当方の対応は以下のとおりです。
- 対面:京都・大阪近辺を中心に対応
- オンライン:全国対応(内容により)
「まだ遺言内容が固まっていない」「何が不安なのか整理できていない」という段階でも大丈夫です。状況を伺ったうえで、進め方をご提案します。
- 家族の方:お問い合わせ(家族)
- 司法書士・専門家の方:お問い合わせ(司法書士・専門家の方)
注意
本記事は一般的な情報提供であり、医療行為(診断・治療)や法律上の個別助言を行うものではありません。個別の状況により適切な対応は変わります。
著者情報
回復期病棟で高齢者・認知症診療に従事する医師。生活に直結する意思決定支援の経験を踏まえ、相続・遺言の場面で「意思が表れる条件整理」と「面談整理(紛争予防のための情報整理)」を行う。著者情報はこちら
